胃がん発覚に至る経緯3-3

前回の続きです。

7月26日、多目的室という名の個室で、私、妻、O先生、看護師さんというメンバーで面談がスタート。

開口一番、「この間の生検で取った細胞からがんが見つかりました」と、O先生。

妻は鋭く息を飲んで顔を強張らせていました。
一方の私は「何で?」という疑問と、「なるほど、がんならしょうがない」という得心が半々ぐらいだったでしょうか。

がんの名前は「印環細胞癌」。
普通の胃がんは初期でも比較的見つけやすいのに対して、こいつは胃の粘膜の下を這うようにして広がり、しかも進行が早いため、見つかる頃には手遅れになっていることも多いらしく、胃がんの中でも特に厄介なやつとのことでした。
怪しいリンパ節の腫れがいくつもあるが、幸いなことに、切れば充分助かる段階と聞いて一安心しましたが、まあ逆に言えば切らなきゃ助からないということでもあるため、即断で手術をお願いしました。
ちなみにこの時点では胃を3分の2切除し、残りをうまいこと繋ぐ予定とのことでしたが、最終的には全摘出となります。

面談の最後、何か質問はありますかとO先生に聞かれ、妻は普段の姿からは想像もできないほど取り乱し、涙を流しながらながら繰り返し繰り返し私の助命を懇願していました。
ニッコリと笑顔を浮かべながらも力強くうなづき「大丈夫です」と答えてくださったO先生の態度に、私たち夫婦ともども大いに勇気づけられました。
また、あまり面談に立ち会った看護師さんも私たちの境遇に深い理解を示してくれ、これも大いに励みとなりました。

この後、私は一時退院して椎間板ヘルニアに泣かされながらも家族との時間を過ごし「サムライオペラ」の音楽を作り終え、手術を迎えることになります。