::: 2007年6月14日 - 音響の仕事 2
本番当日、午前。
小屋のスタッフにあいさつをすませて音響ブースに入り、機材の総点検を行う。
具体的に例を挙げると、電源が入るかどうか、ミキサーのフェーダーの効き具合やPAN・EQの
設定、ケーブルのルーティング、電池物であれば新品の電池に交換し、その日のコンディ
ションに合わせて機材の配置まで見直す。他のスタッフの邪魔にならない程度に音出しまでを
行い、点検はすべて終了となる。
この後、開場まではまったく仕事がないので、照明など忙しいパートのサポートに回る。
開場直前、全関係者が舞台に集合して円陣を組み、演出の号令で気合いを入れる。
本番30分前、開場となる。
この時間は「客入れ」と呼ばれ、専用のBGMと照明が当てられる。
客入れのBGM選曲には大きく分けて3パターンあり、一つ目には、実際に劇中で流れる楽曲を
選ぶパターン、二つ目には、劇中では流れないが芝居をイメージさせる楽曲を選ぶパターン、
三つ目には芝居とまったく関係のない楽曲を選ぶパターンだ。ちなみに、前二つをまとめて、
2パターンと言っても良いかもしれない。
目的は、言うまでもなく観客に事前に芝居の内容をイメージさせるか否かに尽きるのだが、
これは演出と密接に関わるものなので、残念ながら音響が判断することではない。
また、観客は期待に胸を膨らませながら、思い思いに時間を過ごしている(と思いたい)ため、
客入れの音量は小さめに流す。
このとき重要なのは、かわいい女の子が来ていないか、しっかり探すことだ。
絶対領域ならば尚良い。
開演直前、スタッフによる前説が行われる。
キャパ100人未満の小劇場はともかく、市民ホールクラスの大劇場になると前説にもマイクを使う
ことがあるので、対応する。
前説が終われば、いよいよ本番だ。
音響の呼吸(タイミング)でオープニングの音を入れ、ゆっくりと音量を上げていく。音に呼応して、
照明は客席の灯り(客電)を落としていき、観客を現実世界から「こちら側」へとご案内する。
「音響の呼吸で」と言ったが、ここで前説直後に音を入れるか、それともじっくり間を取って観客を
じらせるかは音響の密かな楽しみであり、気を使う部分でもある。
さて、第1幕が始まる。気を抜かず、しかし必要以上に緊張せず、いつもどおりにオペレートしよう。
次回、今度こそ本番の話と音響論。
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Category : [舞台・演劇]
